画像は2023年に30年ぶりに訪れたワープロ教室です。建物はそのままでしたが、教室はすでに無く別のテナントが入っていました。左下の入り口から階段を上り2階にあった教室に通いました。

【以下は当時の日誌より抜粋】


1993年 5月27日(木)

 ワープロ検定試験を受験するため、近所のワープロ教室を見学する。ここは一太郎のバージョン3がインストールされたNECのPC-9801DXとVMがあった。検定受験コースは10時間で、入学金5,000円+受講料10,000円であった。ここでフロッピー版P1EXEで受験することを思いつく。そのため自宅のPC-9801RXのハードディスク版一太郎V4とフロッピーディスク版のP1EXEで、同じ課題をやってみる。その結果、ハードディスクより30秒ほど時間がかかったが、使い慣れたP1EXEで受験することにした。

1993年 5月29日(土)晴

 ワープロ教室に行き用意してきたフロッピー版P1EXEをPC-9801DXで動かしてみる。ほぼ問題なく動きそうであった。

1993年 6月 5日(土)

 ワープロ教室に行き検定コースの受講申し込み手続きを取る。入学金5,000円と受講料10,000円であった。6月7日より月・木の5日間通うことになった。

1993年 6月 7日(月)

 ワープロ検定コース第1日目。講師は40歳くらいの女性インストラクターであった。生徒は20代の女性がすでに2人来ていた。最初は一太郎バージョン3で文書作成の練習を行う。その後、持参した検定用P1EXEフロッピー版を使って文書作成の練習を行う。現在最重要課題である、枠付きの表作成の機能では、一太郎が有利であるが、P1EXEの機能を更に研究し、同等の処理速度に高める必要がある。1時間ほど教室にあった、一般書店に置いてあるような練習用テキストの文書作成の課題をやった後、本番と同じ条件で入力、作成技巧の練習問題をやる。この問題は、過去の問題と同じものであるという。問題用紙もそれに近いものであった。結果は、どちらも時間内に完成した。しかし教室にあるスターのプリンターJP-200がP1EXEに登録されていないため設定が出来ず、技巧問題は1ページにプリントアウト出来なかった。次回は別のプリンターで行うことにする。また入力問題は行数が少ないため、プリントアウト出来た。これをインストラクターに提出したところ、採点結果はノーミスであったという。約8分で入力が終了し、残りの2分でミスタイプ3、4箇所を発見し、修正する。入力問題に関しては、事前の練習でこの時間配分で合格圏内であると見ているが、今日は時間内で終了したが、枠のある表作成のマスターが最重要課題である。

1993年 6月10日(木)晴

 ワープロ教室に行く。ワープロ検定講習2日目。入力試験は399点であった。作成技巧では若干の減点があったが、時間に余裕を持って完成した。

1993年 6月14日(月)

 ワープロ検定講習3日目。入力問題は満点であった。また表の枠を伸ばしたり、縮めたりする際にSHIFT+DEL、SHIFT+INSが有効である事を知る。

1993年 6月17日(木)晴

 ワープロ検定講習4日目。今日は生徒が今まででいちばん多く他に女性ばかり4人いた。今日わかった事は、P1EXEと相性の良いプリンターと9801DXの組み合わせになっているのは1台しかないという事であった。検定当日はこのマシンを使用しなければならない。DXの他にVmがあるが、こちらは処理が遅くて時間内に完成しない可能性が高い。入力問題は満点であった。

1993年 7月10日(土)曇一時雨

 明日に迫ったワープロ検定試験の最後のチェックを、本番と同じ会場、機器で練習する。受験準備のまとめとして、

1.入力スピードはすでに頭打ちで、1カ月ほど前から変わっていない。

2.入力問題は8分前後で完成する。ミスタイプをチェックしながら入力するよりも、2、3箇所のミスタイプはあるものとして、リズミカルに最後まで完成させて、あとから見直しをするのが良い。ミスタイプは、残りの時間で見直しをする。

3.フロッピーディスク仕様のP1EXEのため、変換はこまめに行うのがよい。

4.会場の9801DXのキーボードにはホームポジションを表すボッチがないが、なくてもそれほど不都合はない。テープを使って当日貼ることも考えたが、その必要はなさそうである。

5.プリンターの出力時間は、会場の一太郎バージョン3よりも、P1EXEのフロッピーディスク仕様はたいへん遅い。特に技巧問題で、罫線があると3倍近くかかる。

6.技巧問題のポイントは枠のボリュームである。会場の担当者によると市販の練習問題よりは、実際の試験の方が、枠のボリュームは少ないということであった。実際、市販の練習問題では、20分の時間内に完成できないものもある。

7.修正問題では、移動の機能を使用するよりも、上からタイプし直した方が早いものの方が多い。

8.前回の試験では、実技で合格しても、学科で不合格になった者が多いという。

9.学科に関しても、すでにかなりの練習問題をやっているため、出来なかった箇所だけをもう一度見直す必要がある。文章判読問題は準備のしようはないが、文書処理技術問題の傾向は毎年あまり変わらないようである。

1993年 7月11日(日)晴

 3級ワープロ検定試験のため、ワープロ教室に向かう。9時から試験が開始される。受験者は5人いた。学科と技巧問題は満点ではないが、合格ラインに達したと思われるが、入力問題で、痛恨のミスをする。原稿を飛ばして読んだ為、約1行抜けるというアクシデントが起こる。それでも入力に約9分かかり、残りの時間で抜けた部分を加えたが、全文入力できなかった。合格圏であるミスタイプ10文字以内に達しなかった模様である。

★教訓。適度の緊張感が持続しなかった。入力問題は、今までの練習で、原稿の飛ばし読みは一度もなかったし、制限時間をオーバーしたこともほとんど無かった。強いて言うと、昨日の練習で、入力問題が10分を越えただけであった。これを単に集中力の衰えから来るものとかたずけ、その原因を追求しなかったことが敗因であった。確かに技巧問題と連続して、入力問題をやると、スピードは遅くなるが、本番の試験では、集中力の持続に努めなければならない。その方法は、技能検定試験での教訓を生かすとすれば、絶対合格するという信念のもとに、集中力を高め、多少のトラブルでもあきらめずに対処することである。
★教訓。リラックスすることは必要であるが、集中力を忘れるほどのリラックスは逆効果である。
 10:30頃試験は終了する。12月の3級試験に向けて、リベンジの構想を練る。

1993年 7月12日(月)

 12月のワープロ検定試験のための新兵器、書見台用水平カーソルの試作品を製作する。 

【上の画像は一般的な書見台の水平カーソル(上側)で、その下側にあるのが、新たに製作した書見台を選ばない汎用型の、クリップ止め式水平カーソルです。透明の素材に赤のマジックインキで水平線を入れ、それをクリップで止めて上下に平行移動するものです】

これにより、原稿の飛ばし読みが無くなることを実際の入力で確認する。

1993年12月 4日(土)晴

 明日のワープロ検定試験の学科試験のまとめをする。試験会場のワープロ教室に行き、1時間700円の使用料を払い、明日のワープロ検定試験の練習をする。

1993年12月 5日(日)曇

 二回目の3級ワープロ検定試験日。試験会場にはすでに2人の受験生が来ていて、一太郎を立ち上げて入力練習をしていた。9時から試験が開始された。受験者は6、7人いたようである。全員女性であった。学科試験はほぼ出来たが、四文字熟語の穴埋めを間違えた。「一挙一□」の□の中の文字を問う問題で「動」と答えるべき箇所を「句」とする。実技試験では、文書作成が、時間内で出来なかった。対象の文字列の直後で「改行」したため、文字ピッチを伸ばす余地がなかった。これはP1EXEのある意味では欠陥である。均等割り付けを1箇所やり残した。この科目は、開始直後に持参したストップウォッチを作動させるのを忘れ、残り時間が正確にわからなかった。しかしそのため、逆に焦る気持ちが消えた。結果的には時間切れで、あと30秒あれば完璧であったと思われる。入力問題は、前回の試験の教訓から生まれた新兵器「カーソルスケール」が威力を発揮し、問題も漢字変換し易かった。内容は“コボル言語に関する文章”であった7分台で入力が終了する。後は見直しに充てる。この科目はほとんどの受験生が、9分くらいでタイプ入力を終了させていた。今回の検定は学科試験と入力問題は合格者が多いと思われる。難関は文書作成であったと思われる。その理由は、初めて地図の作成問題が出たからである。
 10:30頃、試験は終了する。試験を振り返って、学科試験はほぼ予想された通り90点位の得点が出来た。文書作成では緊張感がマイナスに作用し、入力スピードが落ちた。しかし減点ポイントはあるものの、ひとまず完成させた。入力問題では適度の緊張感が持続し余裕があった。総合では合格点に達したと思われる。

 今回の試験で使用した新兵器カーソルスケール以外に、特筆すべきは、教室の書見台用の下敷き(イラストボードを230×320にカットしたもの)、とクリップ、ストップウォッチがある。ホームポジション用のボッチ付きテープは結局使用しなかった。昨日の練習ではビニールテープを貼って見たが、無くても良いという結論になった。

1993年12月15日(水)晴

 商工会議所の掲示板にワープロ検定試験の合格者の受験番号が発表され、合格したことを確認する。