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当初は上村松園の代表作「序の舞」を模写する予定でしたが、「舞仕度」に変更になりました。そのいきさつは当時の日誌に記述されていました。 1993年2月13日(土)晴 渋谷の東急百貨店の裏にある、文化村ザ・ミュージアムで開催されている上村松園展に行く。入場料は1,000円で、「序の舞」「舞仕度」等を鑑賞する。特に「序の舞」は模写する予定があるため入念に見た。その結果、画集にあるように、背景の下側の斑模様は、版下用の写真撮影時に画面の平面性を出すことが難しくて生ずる、陰とわかった。また帯、簪(かんざし)にかなり金色の顔料を使用していることもわかった。頬の色は画集によって、桃色からやや黒ずんだ色まで様々であるが、これらの色合いは、今回の展示会で購入した「序の舞」のポスターが近いこともわかった。色合いはこれが参考になりそうである。また同時に下図も隣に出品されていたが、下図は墨で描いてあった。部分的にやり直す場合は上に和紙を貼り、そこにまた描くという行為を繰り返し、数枚の紙が重なっている部分もあった。 1993年7月25日(日)雨 制作に着手、昨日購入したBBケントを水張りする。シナベニヤの合板に、裏面を刷毛で水を含ませたBBケントを置き、4辺をガムテープで止める。パイロットボードとして、B3位の大きさのBBケントを同様にして、水張りする。 1993年10月9日(土)晴 模写が完成し額装するため、原画を図面用の筒ケースに丸めて入れ神田まで行く。神田の草土舎で、特注の額と一緒に額装を依頼する。 2006年4月29日(土)曇 上村松園の臨時展が開催されている地元の美術館に行く。「舞仕度」は1993年に渋谷の文化村ザ・ミュージアム以来13年ぶりの再会となった。 【補足 2023年2月1日(水) 渋谷の東急百貨店は昨日、55年の歴史にピリオドを打ち、営業終了となった】 |